みとのひとりごと

40代独身、人生散歩中。

燈明寺の猫と煎餅屋。

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 少し不思議な経験した。総武線錦糸町駅新小岩駅の間に少しマイナーな平井という駅がある。たまにこの駅の近くに仕事で行くことがあるんだけど、そのついでに、平井駅から徒歩5分くらいのとこにある燈明寺というお寺でなんとなくお参りをすることがある。最近、特に思想信条があるわけではないのだけど、なんとなく運がよくなりそうなので、宗派問わずにふと見つけた神社でお参りをしているのだけど、この燈明寺はなかなかに心地良い。敷地もけっこう広く、境内までの階段も長く、かつ人もほとんどいない。寺の横が幼稚園で子供の声が常にこだましているのも悪くない。23区内と思えないゆるい空気が個人的にお気に入りだ。

 この日も燈明寺でお祈りして普通に帰ろうとしていたのだけど、帰り間際に東明寺の入口の門柱に三毛猫を発見した。なかなか可愛くて、写メを取っても逃げる様子も抵抗もなく、それどころか、こちらにすり寄ってくる。とても人慣れてしている。しばらく撫ぜていたらなぜか、おもむろに門柱から道路に飛び降り、こちらを振り返り、にゃーにゃー泣きながら、歩き出した。こちらを振り返りつつ、ついてこいオーラを出しながらゆっくり歩くので、ついっていってみた。常にこちらを様子見しついて来ているか確認する三毛猫。歩調を促されながら、数分歩くと、煎餅屋の前で猫は突然立ち止まった。自家製煎餅が並ぶ、懐かしい感じの煎餅屋だ。猫はそこに立ち止まり、にゃーにゃ―と鳴く。「煎餅を買えということか?」と不思議な気持ちになりながら、店内を見渡すも、誰もいない。三毛猫のにゃーにゃー催促は続く。何度かの「すいませーん」のこちらの呼びかけにようやく答えて、おじいさんが出てきた。昭和の匂いのする禿丸顔のとても温和な感じのおじいさんだった。そしておじいさんが出てくると三毛猫は満足げに、店の奥に姿を消した。

 猫が去った煎餅屋で、とりあえずのり煎餅5枚(1枚80円)を何かの義務のように交わされた僕。とても不思議な気持ちになりながら、おじいさんに「あの三毛猫はよく客を連れてくるの?」と尋ねた。おじいさんによると、特に飼い猫ではなく野良猫だが、いつのまにか居ついているとのこと。そしてたまに燈明寺からお客を連れてきて、煎餅を買わせているらしい笑。僕も猫に連れられて煎餅を買わされた一人となったのだな。しかし猫の営業力はすざまじいな。三毛猫に促されると、さすがにほとんどの人間はついていくしないない。その営業力は半端ない。まぁ断れない。でも三毛猫がそういつも客引きするのだはなく、晴れた心地のよい昼下がりに、「気が向いた時だけど、客を呼び込んでくる」んだとおじいさんは言っていた。気まぐれの猫の客引きは実は、そんなに売上げに貢献しているわけでもなさそうだった。

 そんな平井の昼下がりの出来事だった。もし何かの機会で平井駅に行くことがあったら、燈明寺まで足を伸ばし、三毛猫に客引きについていって欲しい。ちなみにその煎餅屋の海苔巻きせんべいは、とてもよくある普通の味だったが。

 

人は悪事は顔に本当に出る(チュートリアル徳井に無申告事件少し前に本人に会った感想)

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 チュートリアル徳井が、無申告という名のかなり悪質な脱税が発覚して、けっこうネットだけでなく、テレビでも騒がれているけど、これは完全にアウトな案件だね。いろいろな解釈が飛び交うが、普通に最悪な場合逮捕、芸能界引退の可能性も高い事件だと感じている。なんせ収入を申告せず、「めんどくさかった」とだけ言い訳。脱税よりたちが悪いのは間違いない。これがもし軽い罪で許されれば、世間の多くの個人事業者が無申告に走って、日本の税体制の根幹を破壊する問題だからね。まぁ見せしめ的な意味も込め、個人的には、当面の活動辞職などという甘い判断でなく、逮捕もありだと思うけどね。世論もかなりそちらにかなり傾いていると感じる、そうなる可能性も低くない気はしているのだけど。

 まぁ今回の話題は無申告の犯罪性というより、徳井の無申告の発覚の1週間くらい前に、お仕事で某イベントで徳井の行って、トークを聞いときの違和感の正体を実感したお話。徳井に生で会うのはその時初めてで、同じ京都育ち、実家もけっこう近く、年齢も同世代(向こうが少し上)のアラフォーと、けっこう親近感もあり、かつてはテレビでもトークもけっこう好きだったんだよね。M1で優勝した冷蔵庫のネタなんて、かなり腹をかかえて笑ったのを思い出している。

 でもでもそのイベントで初めて見た徳井はなんか挙動不審で落ち着きがなく、トークにはまったく切れもなく、本当に、全然面白くなかっただよね。ほんと、びっくりするぐらいに。その時は、芸人としても年齢的にも中堅どころになり、単純に加齢的につまらなくなったのかと、がっかりしたのだが、単純にそうではなかったんだなと笑。もうその時点では明かに無申告事件は雑誌記者につかまれており、それが白日のもとに公開されるのは目前で、まぁ生きた心地がしなかったんだろうな。あの目の泳ぎ方は、そんなん理由からだと後から思い出すと納得がいく。逆に数日後に地獄が待っている中で、よく表面上は冷静な顔を装いにトークがてきたんだなと。そのことから感じたことは、人の顔には悪事(心配事)が本当にはっきり出るということの再認識だ。誰かと話してみて、第一印象でなんか不自然だと感じる裏には、確実に何かやましいことが隠れているということなんだよね。昔、第一印象でとても怪しかった人間にけっこうな大金をだまし取られたことがあるのだけど、その時第一印象がとても怪しかったんだけど、その後の印象が悪くなかったので、付き合いを続け、詐欺にひっかかった次第、徳井のイベントでの雰囲気の怪しさもそういうことだったんだなと、変に納得した。

 まぁ人は見た目じゃないというけど、やはり見た目の部分は大きい。それはイケメンとかブサメンとかでなく、信用できそうとかできなさそうかという人間性の印象。徳井の事件前の不自然な顔色を思い出しながら、第一印象が悪い(不自然な)人間とは付き合うのはやめるべきだなと、なんとなく思った土曜日の午後だった。

 

ドラクエウォークにはアラフォーに必要なプチ達成感が詰まっている。

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 世間のアラフォーサラリーマンのトレンドにもれずに、おっさんホイホイドラクエウォークにはまっている。始めはポケモンゴーのドラクエバージョンだろ?みたいな何気ない気持ちで始めたが、もうドラクエウォークなしでは耐えられない日常を過ごしている。ドラクエウォークが30、40代のおっさんを惹きつけるのは、単に懐かしさだけではないだろう。そこには日々の暮らしでは味わいにくいプチ達成感が詰まっているからだ。ポケモンゴーはレベルが上がるにつれ、新しいポケモンもゲットできずマンネリ化の渦に巻き込まれるのに対して、ドラクエウォークの目的地を積み重ねてストーリーをクリアしていくシステムは、より依存的だ。特に少し目標レベルよりも低いレベルでボスに挑んで、なんとかボスを倒した時のプチ達成感は妙に心地よい。それに新しい武器、こころなどを手に入れた瞬間にも何気ないプチ達成感が詰まっている。

 かつての出玉規制前のパチンコや競馬、競輪なんかには、日常の中での大金を得るチャンスがあり、それが色褪せた日々の暮らしの中での達成か演出してくれている。だがこれらのギャンブルは達成感を与えてくれる一方で、射幸性も高く、大負けするリスク、負の依存性リスクも少なくなく、快不快のバランスのよいゲームだとは言えなかった。その一方でドラクエウォークはとりあえず歩くことで遊びは成立して、あわよくばその中でボスを倒すなどでプチ達成感を得ることができるとてもコストパフォーマンスの高い遊びなのだ。無課金でも歩けば、歩くほどに楽しめる。

 今日(日曜日)の朝のドラクエウォークタイムで遂に、4章をクリアし、5章に入った。達成40レベルのとこを、レベル34でバイシオンルカニスクルトを多用して、なんとかクリアした。先にストーリーを知るとテンション下がるので、できるだけ前情報を入れずにドラクエウォークに挑んでいるのだけど、とりあえず5章で今のところのメインストーリーが終わるとのことなので、早くストーリーを進みたいが、進むのがもどがしい気持ちも強い。これからもしばらくドラクエウォークが生活の楽しみを占める日々が続く。少しだけ終わったときの喪失感を予感しながら、明日もスーツのポケットでオートバトルを繰り広げながら、僕の単調な日常は続いていくのだろう。

 

なつぞらが終わり、スカーレットが始まる。

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 NHK朝ドラのなつぞらが終わり、スカーレットが始まり、1週間が過ぎた。入口から孤児、3兄妹ばらばら、いきなり北海道など入口から過剰なくらいの戦後の波乱万丈感を醸し出し始まったなつぞらに対して、スカーレットは同じ戦後で同じ年ごろのスタートながら、基本的に進行は地味だ。なつぞらが過激に戦後の焼け野原と苦労を過剰に描写したのに対して、スカーレットで描く戦後の滋賀県信楽の風景は地味だ。戦後ならではも貧乏トークに溢れており、父ちゃんのダメっぷりはなかなかのものだが、基本父母が揃った家庭で、妹2人も元気だ。なつぞらの描く戦後があまりにも戦後の不幸を切り取った紋切り型の過剰な演出に思えてしまっていたため、スカーレットの描く自然な戦後の家族の苦労の描写になんだか、安心してしまう。全体的に地味な出足なのだけど、地に足がついた物語で、個人的にはこっちの出足の方がだいぶ好きだ。

 まだ2週目が始まったばっかりで、まだまだ評価はこれからだが、ドラマの自然な空気感はなつぞらよりスカーレットの方がいい。脚本家の水橋美江子さんの代表作に「夏子の酒」があるが、これは原作も俊悦だったが、ドラマの酒造りに一人で挑む女性の描写も本当によかった。個人的には今でも和久井江見の代表作は「夏子の酒」だと思っている。モノづくりに向き合う女性を描くことに定評のある水橋美江子がどう女性陶芸家という世界を料理するか。かなり楽しみにしている。あと個人的に物語序盤からの期待なのは、大阪編で出会う滋賀県出身の西川貴教が演じる「ジョージ富士川」の人物描写だろうな。最近ティーバーでキムタクと常盤貴子の「ビューティフルライフ」を観ているのだけど、そこにキムタクのライバルの美容師役で出演している西川貴教が意外と良くて、演技力もけっこうあるんだなと再認識もしていたし。努力のかけらもほとんど見えないのに、何故か日本のアニメ史上の功績をだいたい自分だけのものにしてしまったなつ(広瀬すず)の物語に対抗すべき、スカーレットは努力で人生を生き抜く陶芸家の泥臭い物語になるような気がしている。戸田恵梨香がその泥臭さをなかなかに上手く演じそうな気がして、けっこう今後に展開に期待をしている。