みとのひとりごと

40代独身、人生散歩中。

今からの不動産投資は、一般庶民にはまったく割に合わない。

 最近仕事もプライベートも暇気味なので、これまでやってこなかったことを新しく始めてみようと考えて、ここ1-2か月で100冊くらい、プラス、マイナスの双方のポジションで書かれた不動産投資の本を集中読みした。スルガスキーム発覚で下火にはなっているが、まだまだサラリーマンの不動産投資をあおる本やユーチューバーがあふれている。特に不動産系ユーチューバは、そこそこ再生回数が稼げるので少し前のかなりの増殖時からは減ってはいるが、それでもうざいくらいにいて、まだまだあおり気味だ。だが一般庶民のこれからの不動産投資は、まったくに割に合わないものだろう笑。

 不動産投資が一般庶民に適さないのは、「利回りの変動リスクの高さ」、「不動産売買手数料の高さ」、「換金性(売却)の不確実性」の3つが大きい。

 まず「利回りの変動リスクの高さ」だが、不動産系ユーチュバーの多くが何故か地方在住者で利回り20%近くで中古物件を購入できれば、そもそも損しないというが、まず利回りが20%の物件は地方でもほとんど存在しない。まぁ首都圏ではそんな物件はほぼほぼ存在せず、1棟の値段も高く、そもその参入すらできないのだが。だが地方であっても、10年前はともかく、今さらそんな物件を探すのは宝探し急の難易度だろう。またもし利回り20%の物件を見つけたとして、ほとんどがリスク満載物件の可能性が高い。例えば500万円の地方のぼろ中古戸建て物件が、仮に現状で20%(年100万円、月8万円ほど)で運用されていたとしても、周辺の他の物件を調べるとその相場は4万円前後。その借主が退去した場合、一気にその利回りは10%になる。さらにそこに、ローン購入の場合の銀行金利、管理料、固定資産税、突発的な修繕費用などを加わると、実質利回りは5%以下になるかもしれない。

 さらに「不動産売買」の手数料合計が物件の10%近くかかるもの不利過ぎる。種銭が10%かかると考えると、株式投資、FXなどに比べると手数料の不利さが目に合わる。売却時も10%近く手数料がかかるし。もし買値より高く売り抜けられればいいが、少子化人口減社会で、なおかつ地方にそんな物件が存在するとは思わない。

 そして最後に「換金の不確実性」だ。株やFXと違い不動産は自分が売りたいときに買い手がいるとは限らない。それが一番厳しい。人生の局面に突発的にお金が必要になる場面は多々あり、その時にすぐ換金できない資産の資産価値は少ない。もちろん余剰資金での不動産投資はそのリスクは少ないが、10年前は知らないが、今から普通のサラリーマンが参入するにはリスクしかない。

 東京はじっこ在住なので、千葉県の2000万円の中古築30年の一棟マンション(利回り10%)を手数料200万円(頭金)、フルローンで購入するシュミレーションをしてみたが、もうマイナス要素しかなった。都内で利回り10%の物件なんて存在せず、千葉でもかなり有利な10%なんだけど、その物件ですら、とんとんに近い換算となる。

 (収入)2000万円×表面利回り10%=家賃収入200万円

 (支出)2000万円で2・5%ローン、20年間の返済額=月々10・5万×12ヵ月=126万円。さらに固定資産税、管理費、修繕費で物件の20%ほどを見込むと40万円=合計166万円

 以上ここまでで年間の手残り(実収入)は+34万円ほどにしかならない。

 もし1部屋の空き室が出て、3万円の部屋が1年間空室なら、-36万円。一気に年間収入は赤字になる。2部屋空室ならさらにだ。割に合わなさすぎる。これだったらまだ200万円の頭金を成長株投資して、10倍株の夢でもかった方がずいぶんましだ。

 さらに20年後にローンがなくなったとしても、その時に物件は築50年。大幅修繕での持ち出しがかなりの額になるだろう。さらに果たして、大幅な人口減が避けられない中で、その物件が果たして売却できるのだろうか。そこには、マイナス要素しかない。いまだに不動産投資をあおるマンション投資会社や、不動産系ユーチュバーは、20年後の借金まみれの未来しか想像できないな。まぁもし中古一棟マンションの相場が今の半額になったら参入もありかもしれないが笑。