前回、1820年と現在(2015年)の200年間での世界のGDPの変化をまとめたが、今回はその間のGDPをまとめたい。まず1870~1913年を考察したい。
まず1870年(明治維新から3年後)の世界のGDPと日本の順位は、
①中国(世界の中での構成比16・6%)
②インド(10・5%)
③アメリカ(8・72%)
④イギリス(8・48%)
⑤ロシア(7・41%)がトップ5
それに、⑥フランス⑦ドイツ⑧イタリアと続き、
日本は9位で、2・26%となる。
この時代はまだまだ人口によるGDP貢献度が大きく、中国、インドのシェアが高い。ただアメリカが急速に発展し、イギリスを追い抜いている。日本は1820年の6位から、大きく順位を落としており、幕末の騒乱は日本全体の国力低下に大きな打撃を与えたことが分かる。
続いて1900年を見てみる。世界でな先進国の我が物顔での植民地化が進み、日本も負け時と富国強兵。明治維新後初めて列強諸国と戦うことになる日清戦争(1904年)の4年前の年だ。
①アメリカ(15・82%)
②中国(13・18%)
③イギリス(8・92%)
④ロシア(7・79%)
⑤インド(7・45%)
それに、⑥フランス、⑦ドイツ、⑧イタリアと続き、
日本は9位のままだが、その構成比は2・53%と伸びている。
1位が中国からアメリカに入れかわり、インドは順位を5位にまで落としている。列強による植民地化で、多くのアジア諸国が国力を吸い取られていることが分かる。まさに植民地化こそが勝ち組の時代を強く感じさせる推移となっている。
そして1913年。日露戦争の1年前の年だ。
①アメリカ(19・00%)
②中国(11・03%)
③ロシア(8・52%)
④イギリス(7・86%)
⑤インド(6・12%)
⑥ドイツ、⑦フランス、⑧イタリアで、日本は9位(2・52%)のままだ。
日本は明治維新を経て、列強諸国の仲間入りをしようと必死にもがいているが、この間の成長率は欧米より低くGDPの国際順位も伸びていない。その差の大きな原因の一つは植民地の有無であり、これを乗り越えるために、その後日本はアジア侵略に舵を切り、大東亜戦争に突入していくことになるのだろうかと、思ったりする。