みとのひとりごと

40代独身、人生散歩中。

なつぞらが終わり、スカーレットが始まる。

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 NHK朝ドラのなつぞらが終わり、スカーレットが始まり、1週間が過ぎた。入口から孤児、3兄妹ばらばら、いきなり北海道など入口から過剰なくらいの戦後の波乱万丈感を醸し出し始まったなつぞらに対して、スカーレットは同じ戦後で同じ年ごろのスタートながら、基本的に進行は地味だ。なつぞらが過激に戦後の焼け野原と苦労を過剰に描写したのに対して、スカーレットで描く戦後の滋賀県信楽の風景は地味だ。戦後ならではも貧乏トークに溢れており、父ちゃんのダメっぷりはなかなかのものだが、基本父母が揃った家庭で、妹2人も元気だ。なつぞらの描く戦後があまりにも戦後の不幸を切り取った紋切り型の過剰な演出に思えてしまっていたため、スカーレットの描く自然な戦後の家族の苦労の描写になんだか、安心してしまう。全体的に地味な出足なのだけど、地に足がついた物語で、個人的にはこっちの出足の方がだいぶ好きだ。

 まだ2週目が始まったばっかりで、まだまだ評価はこれからだが、ドラマの自然な空気感はなつぞらよりスカーレットの方がいい。脚本家の水橋美江子さんの代表作に「夏子の酒」があるが、これは原作も俊悦だったが、ドラマの酒造りに一人で挑む女性の描写も本当によかった。個人的には今でも和久井江見の代表作は「夏子の酒」だと思っている。モノづくりに向き合う女性を描くことに定評のある水橋美江子がどう女性陶芸家という世界を料理するか。かなり楽しみにしている。あと個人的に物語序盤からの期待なのは、大阪編で出会う滋賀県出身の西川貴教が演じる「ジョージ富士川」の人物描写だろうな。最近ティーバーでキムタクと常盤貴子の「ビューティフルライフ」を観ているのだけど、そこにキムタクのライバルの美容師役で出演している西川貴教が意外と良くて、演技力もけっこうあるんだなと再認識もしていたし。努力のかけらもほとんど見えないのに、何故か日本のアニメ史上の功績をだいたい自分だけのものにしてしまったなつ(広瀬すず)の物語に対抗すべき、スカーレットは努力で人生を生き抜く陶芸家の泥臭い物語になるような気がしている。戸田恵梨香がその泥臭さをなかなかに上手く演じそうな気がして、けっこう今後に展開に期待をしている。