みとのひとりごと

40代独身、人生散歩中。

大分県杵築市の激安ゴミファイアー組はグローバル経済の勝ち組。

 身もふたもない話で恐縮なのだが、経済がグローバル化する中での資本主義の勝ち組は、他国、他企業、他人に損(リスク)を押し付け、自分がリターンだけを享受することができた国であり、企業であり人物だ。1980年代までまだソ連、中国が社会主義として世界の2極化する中で、社会主義国の住んでいるというだけで個人の本質的な実力には関わらず損失していたが、社会主義が崩壊して30年。世界が資本主義に乗っかる中で、いかに自分がより得をするかが、世界経済の本質となってしまった。その中で各国はなりふりかまわず自分だけが得をするように動き、例えば中国は世界の工場として安い労働力を武器に銭ゲバ企業を誘致して今ははしごを外したのは周知の事実だが、その一方でITインフラの独占にはこだわり抜き、グーグル、アマゾン、フェイスブックをはじめITインフラ企業を締め出した。そして彼らを締め出したことでアリババ、テンセント、バイドゥ、ファーウェイなどの企業が生まれ、中国のITインフラを生み出すに至った。銭ゲバ中国に世界が踊らさせ、特に日本は利用させまくり、日本は失われた30年を実現すらしてしまった。悲しい。企業レベルではこんなことは日常茶飯事のカオスで、業界のためとい言いながら、自分たちのことしかみてない企業が大半なことは周知の事実。昨今ごり押しのSDGsに至っては、参加料を高額にしたインナーサークルパーティの様相しか感じられず、気持ち悪さしかない。

 閑話休題。話が脱線しすぎたが、今回書きたいのは、家賃1万円で小奇麗なワンルームに住めることから、激安ゴミファイヤー組が次々と移住している、大分県杵築市への失策というか運の悪さへの同情だ。町ぐるみでソニー東芝、キャノンと大手メーカーの大型工場を40年前から積極的に誘致し、一時はかなりうるおっていた同市。一時は地方都市の在り方モデルみたいな扱いもされた同市だが、リーマンショック後の2009年に大分キャノンが工場を大幅に縮小、海外生産に大幅シフトしたことで、同市の賃貸マンション界隈とっては、地獄の様相となった。工場への派遣労働者を狙い、同市には、田んぼをつぶして上物をローンをこさえた家賃4万円前後のワンルームマンションが乱立したが、キャノンの撤退で家賃相場は大下落。数年前からは家賃1万円前後が、同市のワンルームマンションの相場となってしまった。合掌。

 そしてそこに目につけたのが、激安ゴミファイヤーをもくろむ30代前後の若者層で、人生よよよ氏をはじめ、まさにうんこ製造機的な連中が、安さのみを目的に都築市に集まった。家賃1万円にガスすらひかず部屋にテントを置く彼らのライフスタイルでは、月3~5万円での生活が可能。逆算するとただ生きるだけならアフィリエイトや2000万円程度の資産の配当収入でも生活は可能だ。これに被害を受けているのが、まず元農家の大家で、土地はただとは言え上物はローンを組んでおり、家賃1万円の借り主がいくら増えても焼け石に水で、家賃1万円で満室でも圧倒的に赤字だろう(もし家賃4万円で8%ほどのリターンを見込んでいたのなら、2・5万円ぐらで満室ならやっとトントンになる気がする)。ただ家賃1万円もないよりましなので、彼らは1万円でもアパートを貸し続けないといけない地獄が続く。都築市も被害者だろう。いくら一万円家賃の若者が増えようと、彼らは同市で働くこともせず税金も納めず、図書館か公共施設などの市民インフラをただで活用するだけ。同市にとって何も提供せず、同市の社会インフラへのフリーライダーでしかない。

 一方で激安ゴミファイヤー組に視点を移すと、彼らはまさにグローバル経済の勝ち組の一員だと言える。本人たちが自覚しているかしてないかは、しらんが。グローバル経済の間接被害を受けた農家大家の損失を最大限に活用し、普通に暮らすには得ることができないほどの生活リターンを得ている。別にうらやましくないが、意外とこういうニッチなグローバル経済で買ったわけでなく、グローバル経済の負け組要素につけこみ、生き血を吸っている無自覚層も少なくない。まぁ都築市の農家大家の自業自得なだけでもあるのだが。グローバル経済で勝つなんてことを目指さず、負けた人間の損につけこも、それを最大限に生暖かく活用するのも一つの生き方だと思った次第。とりあえず今のオレは絶対にやりたくはないけどね。