みとのひとりごと

40代独身、人生散歩中。

日本のサラリーマン社長を目指すコスパは良いのか?

 ZOZOの前澤社長が、自分の持ち株をヤフーに売却し、約2400億円ほどの売却益を手に入れた、スタートトゥデイならぬゴールトゥデイを果たした。前澤氏には自分のZOZO株を担保にした借金が約1000億円あると言われ、売却益の2400億円から税金も引かれる(これが株式売却税の20%になるのか所得税の50%になるのかはまだ未確定)と、世間が思っているほど手元に残らない可能性もあるが、それでも前澤氏が1000億~500億円程度の現金を手に入れたことは確かだ。最近の経営ではZOZOスーツをはじめ迷走を繰り返していたが、一大でファッション特化ネット通販インフラを作り上げたその力は、賛否両論はあるにせよ、やはりたいしてものだろう。

 前澤氏は、創業者利益をとてもいいタイミングで確定しZOZOの経営者を引退したわけだが、それに対して一般のサラリーマンの頂点であるサラリーマン社長を目指すコスパはどうなのだろうか。ふとそんなことを考えた。最近では日本の大手企業社長の年収もグローバルに合わせて上昇してきたが、それでも年収10億円を超える社長、取締役の数はまだまだ少ない。ソフトバンク東京エレクトロンあたりは社長だけでなく複数の経営幹部が年収10億円を得ているが、まだまだそれは少数派だ。詳しくは下の東洋経済役員報酬ランキング(配当除く)を見て欲しい。

 

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 年収10億円、5億円を稼ぐ社長はまだまだ少数派で、500位前後の社長の役員報酬は1億円2500万円ほどしかない。もちろんそれも大金だが、大企業のサラリーマンレースを勝ち抜いた結果がそれでは悲しい気もする。多くの世間で名を知れた大企業の社長でもその年収の中央はせいぜい2~3億円に過ぎない。

 例えば大手企業で社長6年、会長2年を務め8年間×2億円の役員報酬を得たとする。その合計は16億円となる。ただこの年収だと日本の累進課税最高税率が適用されるので、手取りは8億円ほどになる。社長という激務を耐え抜いた結果が、この額であることは果たして妥当なのだろうか。これにそれまでの貯金が1億円あり、それを加えたとしても、せいぜいサラリーマン生活引退時の資産は10億円にも満たないだろう。もし8年間の役員報酬が1億円×8年ならば、税抜き手取りは4億円となり、貯金を加えても、引退時の資産は5億円ほどにしかならない。これをどう判断するかは人それぞれだが、ちょっと物足りない数字ではないだろうか。

 もしZOZOの前澤氏が、1000億円のエグジット資産を得て、それを年利5%の高配当株などで運用したら、その年間収入は50億円(税引き後は40億円、この株関連の20%の税率もなかなかに金持ち優遇の極致なのだが)であり、大手企業の社長まで務めた人物の生涯資産の10倍を1年で金融資産だけで、稼いでしまうのだ。こうした数字を見ると、いんちきを重ね日産自動社を食い物にしたカルロス・ゴーンの気持ちも分からんでもない。サラリーマン社長を務めあげても、その稼ぎはたかがしれていると言わざるえないのだ。

 BNF、CISは出来過ぎにしても、株で数十億、数億程度稼いだ人間は世の中に溢れている。特に2016年からの日本株の上昇でその数はかなり増えたように思う。最近は株価停滞で少しはダメージをくらっているものの、まだそのダメージさほどのことはないだろう。9月からはかなりの確実で日本株の復調の可能性も高いし。たいした能力もない人間が、人生の勝ち組のサラリーマン社長の生涯資産額をけっこう簡単に稼いでしまう時代になってしまっているのだ。

 ということで、日本でサラリーマン社長を目指すコスパは究極に悪い。もちろん毎月給料をもらい家族を養いつつ、最終ボーナスとして社長の器も手に入れる。こうした戦略は悪くはいあのだが、サラリーマン社長を目指して仕事以外を犠牲にするのは、かなり悪いコスパと言わざる得ないだろう。サラリーマン社長は目指すのは今の段階ではコスパは悪く、もし社長になりたければ創業者社長を目指し、もし時流が許せば、エグジット売却したい。前澤氏ほどでないけど、本郷バレーのプチ経営者的に事業を大手企業に売却し、数億円20-30代で手に入れるのも悪くない。もしくは勝負をかけて株やFXで一儲けるするのも良い(デイトレではなく、あくまで仕込み株がベター)。結局リスクも多いが、これが今の時代にとっては、コスパがいいように感じる。

 まぁでもそれはあくまで現時点でのシュミレーション。時代は変わり、ルールも変わる。その潮目を見極めて動かいないと、どの道を選んでも失敗する可能性も高いだろう。まぁ当たり前だが、人生を選ぶのは難しい。