みとのひとりごと

30歳を過ぎてから上京したアラフォーの関西人。独身。人生いまだ考え中。昭和の残香がするすみっこが好き。

モンテクリスト伯が面白い理由

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 今週木曜日で最終回になるディーン・フジオカ主演ドラマのモンテクリスト伯をけっこう楽しみにしている。はじめは正直どうかなと思っていたのだけど、やはり原作の面白さは偉大だなと再確認している。

 モンテクリスト伯アレクサンドル・デュマ(父の大デュマの方)が1845-46年に書いた長編小説で、日本でも岩波文庫版で全7巻ある長編だ。昔友達が「モンテクリスト伯にはエンターテイメントの全てが詰まっている」とたいそうなことを言っていたのだけど、最近その言葉の通りだななんて感じている。嫉妬、親友の裏切り、恋人の不義理、地獄の日々、再起、過去への復讐、警察(公権力)との闘い、そして後悔…。今のネガティブエンターテイメントのベースとなる全ての要素がモンテクリスト伯には詰まっているのだ。なお今のディーンドラマ版には描かれていないのだけど、原作では先物の仕手戦による復讐場面もあり、経済小説的な要素もふんだんに描かれている。まさにあらゆるエンターテイメント要素が詰まっている小説で、それを今の時代にあてこんでも面白いに決まっているのだなと、改めて感じたりしている。

 ちなみに日本の明治の文豪の中で純文学でなく当時の大衆小説に分類されていた菊池寛谷崎潤一郎などは実はデュマの物語のつくりをかなり模倣していることで有名だったりする。なおデュマのモンテクリスト伯と並ぶものひとつの名作は三銃士だ。こちらは真逆の友情をテーマにした作品で、今のポジティブエンターテイメントのベースになっている。デュマは本当に歴史に残る偉大な文豪だったんだなと。ディーン版のドラマを見終わったら、本棚からデュマのモンテクリスト伯を掘り起こし再読してみよう。そんなことを考えている。