みとのひとりごと

30歳を過ぎてから上京したアラフォーの関西人。独身。人生いまだ考え中。昭和の残香がするすみっこが好き。

なつぞらに感じる昭和の少女漫画性。

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 4月から始まったNHKの朝ドラの「なつぞら」がなかなかに面白い。始まってまだ10日間なんで評価はこれからの部分もあるが、北海道・十勝の風景がなつをめぐる物語の始まりを、心地よく奏でている。主人公のなつ、東京と十勝に離れ離れになった兄、妹、友達、十勝の柴田家の家族たち。今後日本のアニメーションの黎明期を描きながら、それぞれにこれからを描いていく作品には期待しかない。まだ主人公のなつを演じる広瀬すずの演技を見るのはこれからだが、なつの少女時代を演じている子役の少女の演技力がすごく良く、かなり物語に引き込ませくれる。柴田家の家族も藤木直人、松島菜々子の両親が期待以上にしっくりくる。おんじを演じる草刈正雄は、現実離れする渋さだが、北海道の開拓期を生き抜いてきた寡黙だが心根は優しい男性像を上手く表現していて、物語の序盤のなつを支える視線が優しい。もちろんOPのアニメーションものすごくいい。初期の宮崎駿未来少年コナンあたり)の雰囲気がある。知る限りではNHKの朝ドラのOPが全部アニメなのは初の試みじゃないだろうか。

 そんななつぞらを毎日見ていると、なんとなく懐かしいデジャビュ感を感じることがある。この物語はどこからで見たことがあるんじゃないかなとという不思議な錯覚だ。別に盗作などという意味ではなく、なんとなく感じる懐かしさだ。懐かしさの正体がなんなんだろうと考えていて、ふと気づいた。なつぞらは昭和30~50年代の少女漫画の雰囲気そのものなのだ。幸薄な少女が両親と死に別れ(生き別れ)、知らない遠い土地に送られ、そこで涙をかみしめながら、新しい出会いに恵まれ、成長していく。まさに昭和の少女漫画の黄金パターンだと言えるだろう。最近意外とこうしたベタな設定のドラマは少ないので、あまりこのパターンのドラマを観ていなかったことも懐かしさを改めて感じた要因かもしれない。

 なつぞらについて何気ない感想を思い浮かべながら、この作品にととても雰囲気が似ていいる昭和の少女漫画を思い出した。ちばてつやの「ユキの太陽」だ。主人公のユキは孤児院から金持ちの家に引き取られるが、会社がつぶれ、一家で北海道に移り住み、そこで様々な体験を重ね、成長していくというストーリー。なつと、その漫画の主人公のユキのたたずまいがなんとなくなつに似ていると感じたのかもしれない。調べてみたら「ユキの太陽」が描かれたのは1963年(昭和38年)で、まさに昭和の少女漫画の黄金期の幕開けの時期だ。ちばてつやは「あしたのジョー」、「のたり松太郎」、「明日天気になあれ」などスポーツをテーマにした作品が多いが、それらを描く前の初期にはノスタルジー溢れる少女漫画を数多く描いている。「ユキの太陽」以外にも、「島っこ」「みそっかす」「123と456」「テレビ天使」などもけっこう好きな作品だ。とにかくどの漫画も主人公の表情が魅力的で、黒髪と黒目がちのつぶらの瞳の幸薄を乗り越える勝気さに思わず引き込まれる。主人公の広瀬すずもそのタイプの美少女なので、そのイメージも重なったのかもしれない。ちなみに「ユキの太陽」をアマゾンで調べたら、すでに廃盤で中古でセットで5000円以上もしたので、購入を思案中。なんとかキンドルで再販して欲しいところです。

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(このユキの太陽のユキとなつぞらのなつがなんとなくかぶる)