みとのひとりごと

40代独身、人生散歩中。

経済は停滞なのに株価だけ上がったアベノミクス後の崩壊の世界。

 

 個人的に日本経済、金融システムの根本的な崩壊が迫っている気がしてならない。多くの人が今や知っている真実だが、2012年末のアベノミクスによる金融緩和のせいで、日本経済はむちゃくちゃになってしまった。アベノミクスの一方的な金融緩和で金持ちがより金持ちになり、貧乏人はより貧乏になる構造が鮮明になったのだが、その不公平な事実はその間の日本の実質GDPと株価推移を見てみるだけでも鮮明だ。

 2012年の日本の実質GDPは517兆円だったが、22年末は546兆円。10年間で日本のGDPはわずか5・6%しか増えていないのだ。これはあくまでも円ベースのお話なので、その間に日本円が20~30%ドル安になったことを考えると、アベノミクス以降の日本は貧乏になり続けており、”安いニッポン”という最悪な自体に陥ってしまった。その一方で2012年末に9484円だった日経平均株価は22年末には2万7797円となり、なんと10年間で2・9倍になった。(4月28日時点の日経平均は2万8856円)。国はほぼ成長していないのに株価だけ上昇する、アベノミクスはなんともおかしい現状を作り上げてしまったのだ。

 その理由は日銀の異次元の金融緩和が原因だが、多くの大企業の株をGPIF(日銀、政府)が買いあさり、その価格を一方的に釣り上げたことは誰もが分かるだろう。そしてアベノミクスで得をした人間は、基本的にそれまでも金持ちだった人間だ。親から受け継いだ株や不動産を持っているだけで、アベノミクスの10年間で資産は約3倍に増えたことになる。単純に言えば例えばアベノミクス前に3億円相当の株を持っていたプチ金持ちは、今現在10億円の資産を持っていることになる。一方で日本経済自体は10年で5%ほどしか成長していないのだから、働くだけでお金を貯めることは厳しい。貧乏FIREブームを目指す若者はこのあまりにもおかしな構造に直感的に気づいてしまった人たちであるのだろう。その一方でアベノミクスへの小判サメのような、積立投資、インデックス投資家という本当にバカな人たちがいて、アベノミクスの金融緩和で数千万円の小銭をつかみ、本当のリスクを見て見ぬふりをしている層もたくさんいる。金融バブルがはじけたら一番痛手を受ける人たちなのに、今少しだけ投資で儲けていることで、現状を曲解したどや顔さんが沢山いて、先行きは暗いの一言だ。

 アベノミクスと同時期のアメリカ経済を見ると、若干の不平等さはもちろんあるが、日本よりはまだ健全な成長を果たしているといえる。12年のアメリカのGDP16兆2539億円は、22年に25兆4644億ドル(1ドル135円換算で3437兆円)に増えた。伸び率は約56%だった。なおその期間のアメリカの株価上昇率はNYダウで2・4倍、S&P500で2・6倍、そしてナスダックで3・7倍だった。経済成長率を株価が上回るのは世界全体の金融至上主義化である程度仕方ないのだが、それでも経済の伸びに合わせて、株価も伸びており、ある程度の健全性を残していると捉えられる。厚切りジェイソンが庶民はS&Pを積立投資すればいいと断言しているが、まぁ経済成長に裏付けされた投資は、一攫千金は望めないが、まだ健全な考え方だろう。一方で経済成長していない日本のETFや個別銘柄にIDECOやNISA、積立投資を続けることは、経済成長に裏付けされておらず、今後かなり厳しい結果にならざる得ないだろう。

 個人的には日本の株式市場はこれから今までのアベノミクスの金融ダンピングのつけを返さざる得ない局面に入ることが確実だろう。その口火は住宅ローン金利の本格上昇になるだろうが、それを待たずして崩壊するかもしれない。ただすぐにではなく、ここ2-3年残り火がくすぶり続けそんなに株価は横ばいを続けるが、その後一機に株価崩壊の局面に入るかもしれない。個人的には、そもそもこんなに不公平な金融システムを多数派の一般庶民が許せるのは思えないので、ある種のチュニジア風の暴動的にでも日本の現システムは壊れていくと見ているのだが。個人的には数千万しか資産がないが、全てを日本以外の国の資産に移した。日本に住んで給料を日本円でもらっているのだが、これくらいのリスクヘッジは仕方ないだろう。そしてこれからは日本に期待するのをやめることにした。日本に住んでいる限りは、自分の周りを守るためにある程度の努力は続けるが、日本に過度な期待はしない。そして日本崩壊後は、モヒカンにしてでも何とか生き残るっス。そんな感じのちょっと狂いかけているオッサンの暇な土曜日のささいなたわ言でした。